日本郵政社長が記者会見で2024年10月から郵便料金の値上げの考えを表明しました。
2024年10月から郵便料金の値上げへ。
総務省は12月18日、手紙とはがきの値上げを行う方針を示しました。2024年秋頃に25g以下の封書(定型郵便物)を現在の84円から110円に、50g以下も94円から110円に値上げして1区分に統合することのことです。はがきも従来の63円を85円に値上げする方針とのこと。
この方針を受け、日本郵政社長は2024年10月から郵便料金の値上げの考えを表明しました。
今後郵便料金は、総務省が審議会の分科会に省令の改正案を諮問したため、意見募集、答申などを経て省令を改正し、日本郵便が正式に料金の届け出をして値上げとなる見通しです。
郵便料金はいくらになるのか。
郵便料金の値上げは、消費税の増税に伴わない改正は1994年以来30年ぶりとなります。封書の料金は1994に郵便事業の赤字が膨らみ62円から80円に改定されました。その後は増税に伴い2014年に82円、19年には84円に値上げされていました。
郵便事業は赤字なのか。
日本郵政は2023年9月期中間決算で、郵便事業(日本郵便)は、210億円の赤字(前年同期は263億円の黒字)に転落していました。
郵便事業は、郵便が全国一律の料金で配達されている「ユニバーサルサービス制度」が2007年に施行された郵政民営化法などによって定められています。距離が近い郵便物であっても、遠方の離島であっても同じ料金で配達することを法令で定められており、法改正なしに「ユニバーサルサービス制度」を廃止できません。隣の家への配達であっても、北海道から沖縄の離島への配達であっても同一料金です。
もともと郵便事業は人件費比率が高く、昨今の人件費の高騰もありコストが増加しています。
郵便区分の機械化等企業努力によりコストを抑えるようにしていますが、それでも赤字となってしまいました。
最近のデジタル化により郵便物は減少しています。国内郵便は2001年の262億通をピークに22年には144億通と約45%の減少し、郵便事業は、22年度の営業損益で民営化以降、初めての赤字となりました。
また、年賀状の発行枚数も7年前の約半数となっています。