政治にはお金が掛かるのでしょうか。
自民党最大派閥安倍派で政治資金パーティの販売ノルマを超えた金額を議員にキックバックし、政治資金収支報告書に不記載の疑いがあることがわかりました。
政治資金パーティのノルマとは。そのキックバックとは。
一部報道によりますと、安倍派では、
- 最低基準が60万円
- 閣僚経験者は400万円
- 最高幹部は750万円
とノルマがあるそうです。
また、このノルマを超えた分は政治資金収支報告書に記載されず、各議員にキックバックされていた疑いがあります。
このキックバックについて、安倍派座長の塩谷立衆院議員が記者団に対してあっさりと認めたということがありました。
その後(5時間後)「事実を確認しているわけではない」などと撤回し、「事実関係を精査する」としました。
このキックバックについては昔からあったため、公然の秘密となっているようです。
政治資金収支報告書には、一つの政治資金パーティで20万円を超えるパーティ券の購入があった者の住所、氏名等を記載しないといけないとされています。
しかし、複数の議員から各議員ごとの20万円以下でパーティ券を購入することがあります。この場合は、それぞれの支払いについて名寄せをしないと20万円を超えているが確認ができません。このことから、一つの政治資金パーティで結果として20万円をこえるパーティ券の購入をしているものも記載から漏れてしまうことがあるようです。
個人献金は、政治家個人にしてはいけないとされていますが、政治資金の抜け穴になっているいう側面もあるようです。
また、この一回当たり20万円以下の購入者が大半を占めているようです。
政治資金パーティは、政治団体が行うものであるため、政治家個人への献金に当たらないということもあります。
政治にはお金がかかるのか。
国会議員一人当たりに約10人ほどの秘書が付くといわれています。
しかし、税金で賄われる公設秘書の人数は3名です。
残りの秘書は私設秘書となり、政治家がその費用を出さなければいけません。
その秘書の人件費だけでもかなりの金額になります。
そのため、政治資金パーティ等を行い、政治活動の資金を捻出しなければなりません。
また選挙にもお金が掛かります。
私も国会議員の選挙のお手伝いをしたことがありますが、選挙活動にもお金が掛かります。
国会議員の歳費の中でその選挙費用も準備するのは大変です。
東京地検特捜部がなぜ動いているのか。
今回このキックバックが問題になっているのは、東京地検特捜部がこの問題に関して動きを見せているということがあります。
すでに安倍派関係者が任意で事情聴取を受けているとのことです。
安倍派「清和政策研究会」に所属する複数の議員が、1000万円を超えるキックバックを受けており、このキックバックされた資金を収入として政治資金収支報告書に記載していない疑いがあるとのことです。
このキックバックされた金額は、去年までの5年間で数億円になるとみられています。
この裏金に今回メスが入ったということです。
この政治資金収支報告書への不記載については昨年11月に「しんぶん赤旗」が報じ、神戸学院大の上脇博之教授が政治資金規正法違反容疑で5派閥を告発していました。
今回の事案について、大事に至らないとの見方もありましたが、東京地検特捜部は、元衆院議員の秋本司氏を逮捕したカジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件や、日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の特別背任事件、元法務大臣の河井克行氏と妻の案里氏を逮捕した公職選挙法違反事件など、数々の事件を手掛けてきた敏腕検察官の森本宏氏が指揮を執っているとのことで、かなり捜査に力が入っているようです。
まとめ
以前から「政治と金」についてはいろいろと話題に上がってきましたが、今回は政治資金パーティに絡んで、億単位の裏金が作られたのではないかとの疑いが出てきました。
捜査にあたる東京地検特捜部も、エース級の検察官が指揮をとり捜査に力が入っているようで、今国会が閉会した後に何らかの動きがある可能性があります。