報道番組のフリをした超ド級の即興コント!『脱力タイムズ』の革新的な構造
金曜夜23時、一見すると堅調なニューススタジオの風景が画面に映し出されます。重厚なセット、洗練されたテロップ、凛とした表情のキャスター陣。しかし、ひとたび番組が始まればそこは日本で最もハイレベルな「即興コントの実験場」へと変貌します。フジテレビ系列で放送されている『全力!脱力タイムズ』は、報道番組のフォーマットを徹底的にパロディ化し、ゲストのお笑い芸人をたった一人「何も知らされていない状態」で放り込むという革新的なシステムを採用しています。解説員たちが真顔でくり出す狂気の論理、進行を無視する不条理な展開、そして逃げ場を失った芸人が見せる剥き出しのリアクション。この緊張感と緩和のギャップこそが、視聴者を病みつきにさせる最大の魅力です。
今回のターゲットはパンサー尾形!追い込まれるほど輝く男と『脱力』の化学反応
今回のゲストコメンテーターとして召喚されたのは、お笑いトリオ・パンサーの尾形貴弘さんです。お笑い界屈指の「全力投球男」であり、どんな不条理な振りに対しても一切手抜きをせず、全身全霊でぶつかっていく熱血スタイルが持ち味の尾形さんですが、この『脱力タイムズ』のスタジオにおいては、その情熱こそが最大のフリとなります。過去の出演時にも数々の悲劇(という名の名場面)を生み出してきた尾形さんですが、追い込まれれば追い込まれるほど、汗をかき、声を張り上げ、予期せぬ奇跡を起こす男でもあります。彼と『脱力タイムズ』のタッグは、バラエティファンにとって約束された勝利のカードと言っても過言ではありません。
AKB48小栗有以の真顔対応が光る!芸人を追い詰める完璧な「ゲスト女優」の立ち振る舞い
もう一人のゲストコメンテーターとして登場するのが、AKB48の小栗有以さんです。アイドルとしての圧倒的な可愛らしさはもちろんのこと、近年の『脱力タイムズ』において「女性ゲスト枠(通称・女優枠)」に求められるのは、目の前でどれほど狂気的なお笑いが繰り広げられても決して吹き出さず、冷徹なまでに淡々と台本を読み進める高い演技力です。小栗さんはそのポーカーフェイスと透明感あふれる佇まいで、尾形さんの熱量と強烈な対比を生み出します。芸人が必死に汗をかいている横で、すまし顔で爆弾発言を投げかける小栗さんのアシストが、番組のシュールさを何倍にも増幅させていきます。
サッカーワールドカップ特別企画!?予告から漂う「絶対まともに進まない」安心感
今回の番組テーマとして掲げられたのは「サッカーワールドカップ特別企画」。取材中の佐久間みなみアナウンサーが現地からレジェンド選手たちを迎え、スタジオと現地をつなぐ超スペシャル中継を敢行するという、一見するとスポーツ報道番組らしい華やかな企画です。しかも、高校サッカーの名門・仙台育英高校出身であり、並々ならぬサッカー愛を持つ尾形さんにとっては願ってもない夢の企画に見えます。しかし、『脱力タイムズ』を観続けている視聴者なら誰もが察するはずです。「これがまともに終わるわけがない」と。期待感を最高潮まで高められた尾形さんが、どのような梯子の外され方をするのか、予告の時点で既に期待と笑いが約束されています。
この記事を読むことで理解できる『脱力タイムズ』流・台本と即興の境界線
本記事では、今回放送された『脱力タイムズ【パンサー尾形&AKB小栗▼ビショ濡れ尾形は、水4本⁉】』の凄みを、バラエティマニアの視点から徹底的に分解・解説していきます。「ビショ濡れ尾形」「水4本」という謎すぎるワードの裏に隠された制作陣の緻密な罠、即興で繰り広げられた「ツッコむアワード」の地獄絵図、そして番組の歴史や過去の神回までを網羅。この記事を読むことで、『脱力タイムズ』という番組がいかに計算し尽くされた笑いの芸術であるか、その構造と深みをより深く理解していただけるはずです。
放送日時とチャンネル情報をチェック(東海テレビ・フジテレビ系列全国ネット)
本回の『全力!脱力タイムズ』は、8月7日(金) 23:00〜23:30に東海テレビ・フジテレビ系列にて全国ネット放送されました。週末の夜、一日の疲れを癒やしたい時間帯に放送される30分枠ですが、その体感時間はあまりの密度の濃さに一瞬で過ぎ去ってしまいます。見逃してしまった方やもう一度細部まで確認したい方は、TVerやFODなどの各種配信サービスを活用することで、制作陣が張り巡らせた細かな伏線や出演者の絶妙な表情の変化をじっくりとチェックすることができます。
23時台という「深夜の入り口」だからこそ許される攻めた演出と中毒性
プライムタイム(19時〜22時)のバラエティ番組では、老若男女誰にでもわかりやすい親切なテロップや丁寧な解説が求められますが、23時台という「深夜の入り口」に位置するこの枠だからこそ、『脱力タイムズ』は尖り切った企画を押し通すことができます。説明を一切省いた不条理なノリ、ゲスト芸人を徹底的に孤立させる悪意(褒め言葉)あふれる仕掛け、そして観客の笑い声(SE)に頼らない静寂の間。この攻めた姿勢が、テレビ離れが叫ばれる現代において若い世代やコアなバラエティファンから絶大な支持を集める理由です。
有田哲平プレジデントが仕掛ける!30分間ノンストップで繰り広げられるシュール空間
番組の総合演出・プロデュース的な立ち位置(プレジデント)であり、メインキャスターを務める「アリタ哲平」ことくりぃむしちゅーの有田哲平さん。彼の頭脳が生み出す30分間は、一秒たりとも隙がありません。VTRのフリからスタジオのトーク、急な企画変更に至るまで、すべてが緻密に組み立てられたパズルでありながら、尾形さんのような予期せぬ動きをするリアクション芸人の突発的な行動さえも、瞬時に番組の笑いへと昇華させていきます。この計算とハプニングの奇跡的な融合が、視聴者を画面に釘付けにします。
見逃し配信(TVer・FOD)を活用して神回の伏線を何度でも回収する方法
『脱力タイムズ』の本当の恐ろしさは、一度観ただけでは気づかないような細部へのこだわりにあります。背景の美術セットに書かれた意味深な文字、解説員の胸ポケットに挿された謎の小物、メインの会話の裏で繰り広げられる小栗有以さんの細かな演技など、見逃し配信で一時停止や巻き戻しをしながら観ることで初めて判明する「伏線」が多数仕込まれています。リアルタイム放送で爆笑した後に、配信サービスで答え合わせをするように見返すのが、マニア推奨の正しい嗜み方です。
2015年放送開始!メガネ姿のアリタ哲平が生み出した新しい「お笑い報道」の歴史
2015年4月に放送を開始した『全力!脱力タイムズ』は、開始当初から既存のバラエティ番組とは一線を画していました。「世界各地の最新ニュースや日本の有識者が語る議論」という体裁を取りながら、中で行われているのは高度なアンチ・バラエティであり、徹底したお笑い実験でした。アリタ哲平キャスターが黒縁メガネをかけ、知的なトーンでデタラメなニュースを読み上げるスタイルは、かつてフジテレビが誇った数々の伝説的コント番組の系譜を引き継ぎつつ、令和の時代に合わせた「フェイクニュース・エンターテインメント」として独自の進化を遂げてきました。
なぜ芸人はゲストコメンテーターとして呼ばれると恐怖するのか?「ドッキリ構造」の秘密
一般的な番組であれば、事前打ち合わせで「こういう展開になります」「ここでツッコんでください」という台本が渡されます。しかし、『脱力タイムズ』のゲスト芸人には、虚偽の打ち合わせ内容しか知らされないか、あるいは「報道番組なので真面目にコメントしてください」とだけ伝えられます。スタジオに入った瞬間、周りの全員(有田、解説員、ゲスト女優、アナウンサー)が「架空の番組の台本」通りに完璧な芝居を打っている中に、たった一人で放り込まれるのです。逃げ場のない密室で、いつどんなパスが飛んでくるかわからない恐怖。これこそが芸人たちがこの番組を恐れ、同時に憧れる理由です。
フジテレビの報道スタジオを本気で再現するからこそ生きる「ギャップの笑い」
番組の説得力を支えているのは、フジテレビの技術陣が本気で作った報道スタジオのセットと、本物の報道アナウンサーの起用です。照明のトーン、カメラワーク、テロップのデザインに至るまで、夕方の『Live News イット!』や夜の『FNN Live News α』と見分けがつかないほどのハイクオリティで制作されています。この「見た目は100%本物の報道番組」であるという重厚な基盤があるからこそ、そこで語られる内容のくだらなさや、尾形さんが汗だくで絶叫する姿との間に「圧倒的なギャップの笑い」が生まれるのです。
制作陣が徹底する「決して笑わない」演技指導と、崩れる瞬間の美学
スタジオに座る有田さん、ゲストの小栗さん、そして岸博幸氏や吉川美代子氏をはじめとする「全力解説員」たちには、制作陣から「何があっても絶対に笑ってはいけない」という厳格な指令が下されています。プロの解説員たちが、尾形さんの渾身のツッコミや狂気じみた行動を目の当たりにしながらも、ぴくりとも表情を変えずに論理の飛躍した発言を続ける姿は、それ自体がシュールな演劇です。そして、ごく稀に耐え切れなくなった出演者の口元が緩む「崩れる瞬間」が訪れたとき、笑いの爆発力は最高潮に達します。
メインキャスターアリタ哲平(くりぃむしchー有田)の冷徹かつ完璧なゲームメイク
アリタキャスターの真骨頂は、スタジオの混沌をすべて掌の上で転がす「冷徹なゲームメイク」にあります。尾形さんがどれほど情熱的に訴えかけようとも、「えー、時間の都合で」「尾形さん、静かにしてください」「報道番組ですので」と一瞬で一蹴し、番組のペースを渡しません。一方で、尾形さんが窮地に陥ると、追い打ちをかけるような悪魔的な質問を投げかけたり、予想外の無茶振りを叩き込んだりします。進行役でありながら最大のサディストとしてスタジオを支配する有田さんの手腕は、職人芸の域に達しています。
全力と汗と水!パンサー尾形貴弘という「脱力タイムズ最高峰のリアクションモンスター」
お笑い界にリアクション芸人は数あれど、尾形貴弘さんほど「純粋な一生懸命さ」で笑いを生み出せる存在はいません。スマートな立ち回りや器用なコメントが求められる現代のバラエティにおいて、彼は不器用なまでに愚直です。『脱力タイムズ』の理不尽な状況に対しても、頭で考えるのではなく本能と感情でぶつかっていきます。「サンキュー!」「メンタル!」といった自身のギャグを封じ込められ、追い詰められた末に見せる彼の汗だくの表情と絶叫は、やらせ無しの「生のリアクション」として圧倒的な熱量と爆笑をスタジオに巻き起こします。
アイドル枠を超えたバラエティ対応力!AKB48小栗有以のポーカーフェイスと爆弾発言
今回、ゲスト女優(コメンテーター)として出演したAKB48の小栗有以さんは、その透明感あふれるビジュアルとは裏腹に、驚異的なバラエティ適応力を見せつけました。アリタキャスターから話を振られると、まるで事前に打ち合わせ通りであるかのように澄んだ瞳で尾形さんに厳しい意見を述べたり、意味不明な解説員の説に真顔で頷いたりします。尾形さんが「なんでだよ!おかしいだろ小栗ちゃん!」と噛みついても、一切動じることなく「あの、静かにしてもらえますか?」と冷ややかに言い放つポーカーフェイスぶりは、バラエティにおける彼女の新たな才能を開花させていました。
佐久間みなみアナの中継リポートと、全力で茶番に付き合う解説員(全力解説員)たちの怪演
本回の重要人物となったのが、現地から中継を行うフジテレビの佐久間みなみアナウンサーです。彼女は本物のスポーツアナウンサーとしての高いアナウンス技術を持ちながら、番組が用意した「つながらない中継」「意味不明な現場レポート」という茶番を、完璧な真面目さでリポートし続けました。さらにスタジオに鎮座する全力解説員たちも、本来の専門知識を無駄遣いしながら、尾形さんを追い詰めるロジックを補強していきます。プロたちが総力を挙げて「本気の悪ふざけ」に乗っかる姿勢こそが、この番組のクオリティを保証しています。
【神回1】アンタッチャブル奇跡の電撃再結成!お笑い史に残る「伝説の10分間」
『脱力タイムズ』の歴史を語る上で絶対に外せないのが、2019年11月29日に放送されたアンタッチャブル(柴田英嗣・山崎弘也)の10年ぶりの電撃再結成回です。ゲストの柴田さんに対して、番組は事前に「元相方に似た漫才師とコンビを組ませる」というパロディ漫才を仕掛けると見せかけ、小出しに偽の相方を登場させた後、サプライズで本物のザキヤマ(山崎弘也)さんが登場。何も知らなかった柴田さんは崩れ落ち、そのまま即興で漫才をスタートさせました。報道番組の振りをしたドッキリ構造だからこそ実現した、バラエティ史に永遠に語り継がれる歴史的瞬間でした。
【神回2】パンサー尾形「サンキュー!」封印!?ドッキリの仕掛け返しで精神崩壊寸前
尾形さん自身が過去に出演した回も、ファンの間では伝説として語り継がれています。自身の持ちネタである「サンキュー!」を全力で繰り出したものの、スタジオ全員から「報道番組でギャグをやるのは不適切」「場違い」と冷ややかな目で見られ、完全に封印させられた回がありました。さらに、番組側が用意したVTRで自分の知られざる裏側や恥ずかしいプライベートを次々と暴露され、言い訳をしようとするも有田キャスターに「時間の都合で」と遮られ続けた結果、尾形さんはスタジオで精神崩壊寸前まで追い詰められました。追い込まれた尾形さんの人間味が爆発した名作です。
【神回3】ダイアン津田の「ゴイゴイスー」が通用しない!報道スタジオで孤立無援の絶叫
もう一人の「脱力タイムズ被害者」として有名なのが、ダイアンの津田篤宏さんです。関西お笑い界の誇るツッコミマスターである津田さんですが、『脱力タイムズ』のスタジオでは彼の得意技である「ゴイゴイスー」も「すぐスルー」されてしまいます。解説員たちの支離滅裂なロジックに対して、声量を上げて力技でツッコもうとするものの、スタジオの静寂とアリタキャスターの冷ややかな視線によって完全に孤立。スタジオの隅で一人汗を流しながら「なんなんこの番組!」「誰か助けてくれ!」と絶叫する姿は、爆笑を呼ぶと同時に一種の美しさすら感じさせました。
過去回から読み解く!追い込まれた芸人が見せる「生の人間性」という究極の面白さ
これらの神回に共通しているのは、あらかじめ準備された「予定調和のお笑い」ではなく、極限状態に追い込まれた芸人が絞り出す「生の人間性」が笑いを生んでいるという点です。どれほど百戦錬磨の芸人であっても、自分の武器が通用しないアウェーな空間に一人で置かれたとき、メッキが剥がれ、素の焦りや必死さが露わになります。『脱力タイムズ』は、芸人という職人の「剥き出しの生き様」を引き出すための、最も贅沢で洗練された舞台装置なのです。
サッカー名門校出身・尾形の歓喜を一瞬で奪う「海外中継つながらない」の定番トラップ
今回の放送で尾形さんに提示されたのは「サッカーワールドカップ特別企画」という、サッカー経験者の彼にとっては喉から手が出るほど欲しい名誉なシチュエーションでした。スタジオには佐久間みなみアナが現地からW杯のレジェンド選手たちを迎え、夢の対談を行うという期待感が充満します。しかし、中継が始まった瞬間に画面がフリーズし、音声が途切れ、「回線がつながらない」という『脱力タイムズ』お約束の中継トラブルが発生。期待で目を輝かせていた尾形さんの表情が、一転して「え…?うそだろ…?」と困惑に変わっていくプロセスは、制作陣の計算し尽くされた罠でした。
レジェンド選手が尾形ファン!?絶対的な「嘘の前提」に振り回される尾形の葛藤
番組の悪意(愛)はこれだけにとどまりません。スタッフから尾形さんに告げられたのは、「実は海外のレジェンド選手たちが、事前に番組での尾形さんの活躍をチェックしていて、『オガタと話してみたい!』と言っている」という、絶対にあり得ない「嘘の前提」です。尾形さんは内心「そんなわけないだろ!」と疑いつつも、サッカー人としてのプライドと「もしかしたら…」という淡い期待を捨てきれず、完全に自尊心をくすぐられてしまいます。この絶対的な嘘の前提に振り回され、スタジオで空回りしていく尾形さんの健気な姿が、笑いを誘います。
タイトル回収「水4本!?」〜なぜ尾形はビショ濡れになり、水を大量消費するのか〜
今回の放送サブタイトルにもなっている「ビショ濡れ尾形は、水4本⁉」というショッキングなワード。中継がつながらず、スタジオの空気がどんどん怪しくなっていく中、進行を滞らせないためにスタッフやアリタキャスターが繰り出した「秘策」によって、なぜか尾形さんが汗と水をかぶり、全身ビショ濡れになるという惨劇が発生します。焦りと緊張、そして体力を削られる試練の中で、彼が喉を鳴らして飲み干したミネラルウォーターの数がなんと「4本」。30分番組で水4本を消費し、ビショ濡れになりながらスタジオに立ち続ける芸人の姿は、前代未聞の映像体験となりました。
企画変更の地獄!「ピン芸人に勝手にツッコむアワード」で尾形に課される試練とは
中継が完全に崩壊した(という演出の)後、番組は「時間の都合」により唐突な企画変更を宣言。急遽開催されたのが「ピン芸人に勝手にツッコむアワード」という謎の緊急企画でした。準備も何もない状態の尾形さんに対し、脈絡なく登場するピン芸人たちのシュールなネタを見せつけ、「さあ、尾形さん!今のネタに最高のツッコミを入れてください!」と無茶振りが連発されます。レジェンドサッカー選手との交流という夢から一転、泥臭い即興ツッコミ組手に放り込まれた尾形さんの絶叫と、意地で見せるツッコミのキレは、本回の最大のクライマックスとなりました。
アリタキャスターの「時間の都合で…」という冷酷な打ち切りカットの妙
『脱力タイムズ』のマニアが毎回楽しみにしているのが、アリタキャスターによる冷酷無比な「バッサリカット」です。尾形さんが熱弁を振るっている最中や、必死で言い訳をしている絶妙なタイミングで、有田さんは「はい、時間の都合でここまでとなります」「続いてのニュースです」と、尾形さんの言葉を遮ってカメラ目線で進行を再開します。この「芸人の一番おいしいセリフを言わせない」という寸止め演出が、スタジオの不条理感を高め、視聴者に「もっと見たい!」と思わせる中毒性を生み出しています。
小栗有以のカンペ読みと、尾形に対する「温度差100度」のツッコミ
本放送において、AKB48小栗有以さんの果たした役割は極めて重要でした。目の前で頭から水をかぶり、ハァハァと息を荒げているビショ濡れの尾形さんに対し、小栗さんはチラリとカンペ(指示出し用のボード)に目をやりながら、「尾形さん、ちょっと水分摂りすぎじゃないですか?」「もっと真面目にやってください」と、一切の感情を排したトーンで語りかけます。尾形さんの「激熱」と小栗さんの「極冷」という温度差100度のコントラストが、スタジオに独特のシュールな笑いの空間を作り出していました。
佐久間みなみアナの「真顔で押し通す」中継現場のシュールすぎる空気感
現地(という設定)からの中継を担当した佐久間みなみアナウンサーの「完璧なプロ仕事」も見逃せません。回線が途切れ途切れになり、スタジオの尾形さんが「佐久間アナ!聞こえてる!?」と必死に呼びかけているにもかかわらず、彼女はカメラに向かって「はい、現場の佐久間です。ただいまレジェンド選手が…あ、音声が届いていないようです」と、完璧な報道アナウンサーの真顔で対応し続けます。彼女が一切お笑いに走らず、真面目にリポートをこなせばこなすほど、中継の崩壊っぷりが際立つという計算された演出でした。
画面隅のテロップ演出に隠された制作陣の悪意(褒め言葉)と伏線
番組中、画面の下部や隅に表示されるテロップやサイドテロップにも、制作陣の細かな悪意と遊び心が詰まっています。尾形さんがビショ濡れで熱弁している最中に「※尾形コメンテーターは特別な訓練を受けています」「※番組内の水はスタッフが美味しくいただきました」「※W杯中継は一部仕様を変更してお送りしています」といった、煽り要素満載のテロップがさりげなく出されます。画面のどこを切り取っても笑いの仕掛けが施されている妥協なき番組作りには、ただただ脱帽するばかりです。
X(旧Twitter)の反応「尾形×脱力タイムズは絶対にハズレがない」
放送中から放送直後にかけて、X(旧Twitter)のタイムラインは『脱力タイムズ』関連の投稿で大大盛況となりました。特に目立ったのが、「やっぱりパンサー尾形と脱力タイムズの相性は神がかっている」「尾形回にハズレなし!今週も腹抱えて笑った」「追い込まれた尾形の顔芸と絶叫は世界を救う」といった、尾形さんのリアクションを大絶賛する声です。予定調和を嫌う現代のバラエティファンにとって、尾形さんが見せる本気の焦りと汗は、最高のエンターテインメントとして受け止められています。
「小栗有以ちゃんの真顔に耐えられるか?」アイドルファンの注目ポイント
AKB48のファンにとっても、今回の放送は神回として受け入れられました。「有以ちゃん、あんなに近くでビショ濡れの尾形さんが叫んでるのに良く笑わずに耐えられたな!」「ポーカーフェイスの小栗有以ちゃんが美しすぎた」「冷たい目線で尾形さんをあしらう有以ちゃんの演技力がすごかった」など、バラエティ番組における彼女のポーカーフェイスと高い対応力に対する称賛のポストが相次ぎました。アイドルの新たな魅力を引き出す番組としても、高い評価を得ています。
放送後のカオスなトレンド入り!「水4本」「尾形ビショ濡れ」のパワーワード
放送終了後、Xのトレンドワードには番組名だけでなく、「水4本」「尾形ビショ濡れ」「ツッコむアワード」といったカオスな単語が並びました。番組を観ていない人からすれば「一体金曜夜の23時にテレビで何が起きていたんだ!?」と思わせるような謎のパワーワードが並ぶ現象は、『脱力タイムズ』放送後の風物詩でもあります。このネット上の拡散と盛り上がりこそが、番組の熱狂的なファン層(脱力フリーク)の存在を証明しています。
視聴者が語る「金曜夜の疲れを吹っ飛ばす脱力タイムズ中毒」のリアル
視聴者の口コミを分析すると、「今週一週間の仕事のストレスが、尾形さんの絶叫で一気に吹っ飛んだ」「頭を空っぽにして笑える最高の30分」「有田さんの悪魔的な笑顔を見ると週末が始まった実感が湧く」といった声が数多く見られます。難しいことを考えず、洗練されたシュールなお笑いに身をゆだねる体験は、現代人にとって最高のストレス解消法であり、週末に向けたエネルギーチャージとなっていることが伺えます。
予測不能の展開だからこそ生まれる、テレビバラエティの「生の面白さ」
今回の『脱力タイムズ【パンサー尾形&AKB小栗▼ビショ濡れ尾形は、水4本⁉】』は、まさにテレビバラエティが持つ「生の面白さ」と「予測不能のドラマ」が凝縮された30分でした。緻密に作り込まれた台本と演出の枠組みの中で、何も知らされない尾形貴弘という人間が全力を尽くし、傷つき、汗をかき、水分を補給しながら立ち向かっていく。その姿は、計算されたコントを超えた「ドキュメンタリーとしての感動」すら視聴者に与えてくれます。
全力で汗をかき、全力でビショ濡れになる尾形貴弘という男の美学
スマートに立ち回り、傷つかないように要領よく生きることが良しとされる現代社会において、尾形貴弘さんの泥臭い生き様は眩しいほどの輝きを放っています。ビショ濡れになり、水4本を飲み干し、喉を枯らしてツッコミを入れる彼の姿を、私たちは嘲笑するのではなく、どこか羨望の眼差しで見つめているのかもしれません。どんな理不尽な状況でも「全力」を捨てない彼の美学があるからこそ、『脱力タイムズ』の不条理な世界観は嫌味にならず、最高の爆笑へと昇華するのです。
次回への期待と、『脱力タイムズ』が進化し続ける理由
2015年のスタートから年月が経過してもなお、『全力!脱力タイムズ』が鮮度を失わず、常に視聴者を驚かせ続けている背景には、有田哲平プレジデントをはじめとする制作スタッフの「お笑いに対する妥協なき探求心」があります。次はどんなゲスト芸人が召喚され、どんな不条理なトラップにハメられるのか。そして尾形さんは次回、どのような形でリベンジを果たし(あるいは再び返り討ちに遭い)にやってくるのか。金曜夜23時、日本のバラエティの最前線から、今後も目が離せそうにありません。
