1. 導入:日村さんと歩く、山手線一周の「ゴールへの序曲」
バナナマンの日村勇紀さんが、ただひたすらに街を歩く姿を映す『ウォーキングのひむ太郎』。派手な演出や過酷なルールはありません。しかし、日村さんの楽しそうな足取りと、彼独自の視点で切り取られる街の風景に、私たちはいつの間にか引き込まれてしまいます。
2026年2月17日の放送では、ファンの間でも人気の高い「山手線一周コース」の第9弾が登場。舞台は、原宿駅から目黒駅。都会の象徴である渋谷の巨大な変貌と、かつて私たちがテレビ画面越しに熱狂した「トレンディな記憶」が交差する、感傷的かつ刺激的なルートです。
「歩くことは、街を再発見すること」。ひむ太郎の背中を追いかけながら、私たちもまた、見慣れた都会の新しい表情に出会うことになります。
2. 放送概要:2月17日夜、BS朝日で一緒に歩く30分
放送は火曜日の午後10時。一日の疲れを癒やし、明日の活力を蓄えたい時間帯に、BS朝日(151ch)から爽やかな風が届きます。
日村さんは「ウォーキングのひむ太郎」という名前の通り、この番組では一人のウォーキング愛好家として登場します。芸人としての笑いを取りに行くのではなく、純粋に歩く喜び、風景の美しさ、そして最後に待っているグルメの美味しさを噛みしめる。その飾らない姿が、視聴者の「歩きたい欲求」を刺激するのです。
3. コース分析:原宿から目黒へ、線路沿いの「発見」
今回のスタート地点は原宿駅。新しい駅舎が完成し、若者の街の顔も少しずつ変わっていますが、日村さんが選ぶのはあえて線路沿いの道。山手線の音を聴きながら、渋谷方面へと南下します。
渋谷に到着すると、そこはまさに「再開発の真っ只中」。昔の面影を消し去るような巨大なビル群に、日村さんは驚愕の声を上げます。しかし、そんな中でも彼は「変わらないもの」を見つけ出します。それが、ケンドーコバヤシさんと通ったという思い出のたこ焼き店。
かつて若手芸人としてこの街を闊歩していた日村さんの記憶が、最新の街並みにオーバーラップします。有名店から路地裏の名店まで、日村さんの足が選ぶスポットは、どれも「歩かないと出会えない」ものばかりです。
4. 聖地巡礼:90年代トレンディドラマの残り香を探して
渋谷から恵比寿、目黒へと続く道すがら、番組はタイムスリップの仕掛けを用意しています。それが、90年代に大ヒットしたトレンディドラマのロケ地巡りです。
今ではスタイリッシュなカフェが並ぶあの場所が、かつては切ない別れのシーンに使われていた……。ひむ太郎は、当時のドラマの名セリフを口ずさみながら(あるいは彼独自の記憶で補完しながら)、街の歴史を紐解きます。
視聴者にとっても、それは自分の青春時代と向き合う時間。かつて憧れた都会の風景が、今はウォーキングコースとして自分の足で踏み締められる。そんな「時間と空間の交差」も、この番組の深い味わいの一つです。
5. ひむ太郎流・ウォーキングの流儀:楽しみながら痩せる(?)
「ひむ太郎」のウォーキングには、鉄の掟があります。それは「決して無理をせず、目に入るものすべてを楽しむ」こと。
彼は途中で見つけたおかしな看板に足を止め、道端に咲く花に季節を感じ、時には坂道の勾配に文句を言いながら、歩くことそのものをエンターテインメントに変えてしまいます。
使っているシューズや、スマホの歩数計をチェックする仕草など、ウォーキングを趣味にする人なら「あるある」と頷くポイントが満載。日村さんの歩き方を見ていると、「運動しなきゃ」という義務感が「外を歩きたい」という期待感に変わっていくから不思議です。
6. 完走のご褒美:目黒駅前「行きつけのうどん店」の正体
30分間のウォーキングのハイライトは、ゴールの目黒駅前で待っている「ご褒美」です。今回は日村さん行きつけのうどん店。
「このために歩いてきた!」と言わんばかりの表情で、うどんをすする日村さん。注文するのは、彼がずっと気になっていたという特定のメニュー。そのコシ、出汁の香り、そして喉越し。ウォーキングで程よく疲れた体に、うどんの優しさが染み渡ります。
食リポというよりは、一人の男が最高の空腹状態で最高の食事に出会った感動。そのリアルな「旨い!」という叫びに、視聴者の胃袋も激しく揺さぶられることでしょう。
7. マニアの視点:カメラが捉える「ひむ太郎の背中」と都会の空
この番組を支えているのは、カメラクルーの執念とも言える「映像の質感」です。
日村さんの背中越しに映る、夕暮れ時の目黒川。ビルに反射する西日。それらが絶妙なBGM(いつも選曲がセンス抜群です!)に乗せて映し出されるとき、番組は単なる散歩番組を超え、一種のロードムービーのような詩情を漂わせます。
自撮りカメラで自分の顔を映しながら「あ、あれ見て!」と興奮する日村さんと、それを俯瞰で捉えるカメラ。この二つの視点が、視聴者を「日村さんと一緒に歩いている」感覚にさせてくれるのです。
8. まとめと今後の期待:次はどこを歩く?山手線の旅、最終回へ
原宿からスタートし、渋谷、恵比寿を経て目黒へ。山手線の西側を堪能した第9弾。一周完結まで、残すところあとわずかです。
『ウォーキングのひむ太郎』は、私たちに「日常の1kmは、驚きに満ちている」ということを教えてくれます。この番組を見た翌朝、あなたはきっと、いつもより一つ手前の駅で降りて、知らない道を歩いてみたくなるはずです。
次はどの街を、どんなテンポで歩くのか。ひむ太郎の山手線一周の旅が、最高の形でゴールインする日を、私たちは靴を磨きながら待つことにしましょう。
